大阪地方裁判所 昭和44年(ワ)6214号 判決
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〔判決理由〕(帰責事由及び過失相殺に関する判断)
そこで右の争いの存する部分及び被告らの主張事実(但し一部弁済の点を除く)について考えるのに、<証拠および弁論の全趣旨を綜合すれば>、
被告会社は事故車を所有していたが、同社代表取締役と被告が友人関係にあつたところから事故の二ケ月程前事故車を被告に譲渡することとなり、以後主として被告の営業用に使用してきたこと、しかし売渡代金については一五万円乃至二〇万円程度と決めたのみで、月賦によつて支払うという暗黙の諒解はあつたが支払方法等の細目は全く取決めておらず、いわば紳士協定で双方ともいずれ決済すればよいと考えており、現に事故当時代金は一銭も支払われておらなかつたこと従つて登録名義は勿論被告会社のままであり、自賠責保険も同被告名義で締結されており、ただその後に締結した自動車責任保険(所謂任意保険)のみ被告が保険契約者となつているにすぎないこと、<中略>
以上の事実が認められ、右の認定を左右するに足る証拠はない。
右の各事実(当事者間に争いのない事実を含む)によれば、被告会社と被告との間に事故車の売買契約が存したことは認められるとはいえ、上掲事情に照せばその所有権が移転したものといえるかどうか極めて疑わしくむしろ或面においては使用の許容に近い関係にあつたものと認めることが相当であつて、被告会社においても事故車に対する運行支配、運行利益のいずれをも失つていないものと認めるべきであるから、結局被告会社及び被告はいずれも自賠法第三条により、<中略>
原告の蒙つた損害を賠償すべき義務を負うことが明らかであるが、上掲事実に照せば原告においても停止車両の間から左右の注視を十分にせず小走りで横断した過失が存するものというべきであり、証拠により認められる全事情を綜合すれば双方の過失割合は、概ね原告一対被告初本九と認めることが相当である。
(寺本嘉弘)